Webデザイナーの領域について考える
こんにちは!
株式会社アンテクのきょんまるです。
UX/UIのデザインをしたり、ディレクションをしたり、コンテンツを作ったりして、デザインを通してお客さまのやりたいことや達成したいことをお手伝いする仕事をしています。
最近は「Final Fantasy XIV」で、エオルゼアのみんなを守ることに忙しくしています。
そう、昨日パッチ6.0のアーリーアクセスも始まったことですし、がんばらなくちゃですよね!
もし、ヒカセンの方がいらっしゃったら、共にがんばりましょーね!
さてさて。
アンテクでは、12/1から「アンテクアドベントカレンダー」を実施しておりまして、
毎日なんかしらの記事が公開されるというイベントを行なっております。
全体スケジュールはこんな感じ。
https://adventar.org/calendars/6534
この記事は、そのイベント用記事として投稿しています。
きょんまるは、12/25まで、毎週土曜日担当として投稿していく予定です。
よかったら読みにきてくださいねっ!
土曜日って、自分の中では濃いめ水色のイメージなんですけど、みなさんはどうですか?
ちなみに、音階の「ソ」の音も同じ色のイメージです。
みんなどうなんだろ?
というわけで、今回は、
「Webデザイナーの領域について考える」
について書いてみたいと思います。
それではいってみましょー!
ヒアウィーゴー!
Webデザイナーってなにをやるひと?
先日、役員メンバーで採用について話をしているときにふと、
「Webデザイナーってどこからどこまでできる人なんですかね?」
という質問が出ました。
きょんまるっていろいろやってるから、どのあたりがWebデザイナーの領域なのかなって思ってw
!!!
そういうことがありまして、
改めてここに、きょんまるは「Webデザイナーの領域」についてどんなふうに考えているかを書いてみることにしたのでした。
Webデザイナーって、一般的には、
「Webサイトをいい感じにつくる人」
という感じなんじゃないかなと思います。
でも、実際に作業をしてみると、
Webサイトを作る工程って、めっちゃたくさんあって、
どこがデザイナーの領域なのかが確かにわかりにくいんですよね。
改めてサイト制作の工程を書き出して、どこがデザイナーの領域なのか見てみようと思います。
案件の内容によって、詳細が異なるところもあると思うのですが、
よくある形ということで書いてみますね。
サンプル案件の概要(よくある要件をかいてみたよ)
● とある中小企業のサイトリニューアル
● ページ枚数、30枚程度
● 現在のサイトを作成したのが、5年以上前でちょっとデザインが古い感じがするので、今風にしたい
● 基本は既存サイトの文言を使う想定
● リニューアルに伴って、もっと若い層をとりこめるようにしたい
● 現在は30-40代の男性がメインだが、20代の女性を呼び込んで、顧客の可能性を広げたい
● CMSを用いて、お知らせと社長ブログを更新してる
● お問い合わせフォームが今ないので、つけたい
● どうするのが適切かがわからにので、ご提案いただけるとうれしい
仮に、こんなご依頼だったとします。
ここから詳細をキャッチアップして実際にお作りしていくんですが、
きょんまるのチームでは、こんな感じで進めていきます。
—–
①クライアントさんのことを知るターン
● クライアントさんの業界、達成したいこと、競合他社などなどを理解する・調査するなど
● なんせ、クライアントさんのことをわかりたい!そのための情報を集めまくる!
②既存サイトのことわかるターン
● サイトの構造、サイトマップ、ターゲット、サーバーのこと、用途はあっているかなどなど
● 既存サイトのお困りごととその原因を追及しまくる!
③ターゲットを調査するターン
● 該当の業界におけるターゲットの位置づけ、適切なアプローチ方法など
● ビジネスの成功には、ターゲットの理解が不可欠っ!狙っちゃうぞ!という気持ち!
④ここまでの調査を元にクライアントさんの目的達成のための方法を提案するターン
● 業界、目的、やりたいこと、ターゲット、時代などなどから施策をご提案する
● 絶対目的達成するのだ!という気持ち!
⑤提案内容を擦り合わせて実際に何作るかを決めるターン
● このあたりで一緒にUXも固めていく
● どんな言葉遣いが、どんな色遣いが、どんなエフェクトが相応しいんだろうって考える
⑥前記で決めた内容を元に具体的にコンテンツを組み立てる、集めるターン
● 各画面に収めたいコンテンツを決める、作成する、集める
● 大抵いっしょにワイヤーを作る
⑦UIをつくる
● ようやくここで画面デザイン
● この時点では、どういうものが出来上がるのか、クライアントさん含めたメンバー全員と共通認識を持てているのが望ましい
⑧実装する
● Webとして公開できるように実装をする
● マークアップや、CMS組み込みや、システム開発などなど
⑨テストする、デバッグする
● 実装後の動きに齟齬がないか確認する
● 修正する
⑩リリースする
● 世界にサイトを解き放つ!
—–
とまあ。
そんなに大きな規模ではないサイトリニューアルでも、
リリースまでにやることは、目白押しなわけです。
実は、実装以降ももっと工程がわかれている(と思っています)・・・が、
ここはさらに深いところに入っていくので、今回は8・9・10とさせていただいております!
(また別の回でお話しできたらと!)
小さな会社で起こりがちな認識の齟齬
さて、改めて洗い出した工程をみていきましょう!
ここで伝えたいのは、
実は純粋に「画面をデザインする」ところは⑦なんですってことと、
結構な感じで「デザイナーは①-⑦(⑧)くらいまでできるよね」と思われてるんじゃないかな??ということ。
そして、実際のところ「①-⑦(⑧)までできる人は稀」ということです。
つまり、依頼をする側とかデザイナー以外の領域の人は、
「デザイナーは①-⑦(⑧)までできるよね」と思っている傾向があって、
デザイナーだったり、デザイナーを目指す人は、
「デザイナーって⑦の画面デザインする人だよね」と思っている傾向があるんじゃないか?
そこに解離があるような気がするのでした。
ちなみに、きょんまるは①-⑦までやるタイプです。
自分自身は、①-⑦の内容をやりながら、
「これはディレクション領域」「これはライターの領域」「マーケターの領域」「デザイナーの領域」「営業領域」・・・と、
いろんな領域や職域を横断して作業してると認識してるので、
メンバーに「コンテンツ作文してね」と、いきなりお願いしたりはしないんですが、
外の人からみると、そのあたりって流れの中で行われてることが多いので、
実は違う領域ってわかりにくいかもしれないって、最近思うようになりました。
でも、他媒体のクリエイティブだと、
デザイナーさんとライターさんとか、コンテンツ作成者さんとか、
明確に分かれてるのが普通な傾向だと思うんですよね。
なんでWebデザイン界隈は、ここが混沌としてるパターン多いんだろう?
(もちろん混沌としていない会社さんもあります!)
そしてふと、
「あ、まってまって。自分がWebデザイナーはじめたころはみんなこんなだったかも」
と思い出したのでした。
インターネット界隈の成長とクライアントさんの要求の変化
まだWebが黎明期だったころ。
そして、紙のデザイナーさんが、紙の需要が減ってきたことを皮切りに、徐々にWebデザイナーに移行しようとしていた時代。
きょんまるはそういうタイミングで、Webデザイナー修行を始めたわけですが、その当時はWebに対してクライアントさんが求めるものが、今ほど多くなかったと思います。
当時のWebサイト制作は、
「今は紙のパンフしかないんだけど、そろそろホームページ?っていうのも必要だよね?」
「インターネットが流行ってきてるから、そっちにも情報のせときたいなー」
こういう系の重要が多かった印象です。
要は「紙のパンフに書いてあることをインターネットの世界でみられるようにすること」という目的なので、
クライアント研究やコンテンツ作成は、パンフレット作るときにがっつりやってるから、Webに起こすところをやってほしい。
ということですね。
なので当然、Webデザイナーはコーディングできることが必須です。
サーバーにしても、今ほどクラウドまわりが充実してるわけではなかったので、少し学習すればFTPでえいや!と更新できて、それで十分なことが多かったのです。
実際きょんまるも、初期の頃は本番リリースまで普通にやってました。
とゆか、自分が作ったものを自分でリリースまで持っていくのは当然だったかな。
Web制作でできることが今より少なかったから、それで事足りてたような気がします。
ところが、そこから20年ほどたった現在は、
Webサイトでできることや求められることがすごくすごく多くなりました。
「集客したい」
「採用に役立てたい」
「ブランディングしたい」
「売り上げをあげたい」
「事業を立ち上げたい」
などなどなどなど
インターネットの世界が可能性に満ちてきて、
ひとびとがその世界に集まるようになってきたことによって、
紙や他のメディアの補完的なWebサイトをつくるではなくて、
目的を達成するためのWebサイトをつくりたいに変わってきたのでした。
クライアントさんがWebサイトで実現したいことの要求が、
20年前とは全く異なってきたのです。
いや、たぶん。
20年前も、ほんとはクライアントさんの中には、
「せっかく作るんだから、費用対効果あげたいよ」
は絶対あったんですよ。ビジネスやってるんだから。
でも、当時は技術的に、そこまでWebに求めることができなかったから、
そしてWebでどんなことができるかもわからなかったから、
「紙や他のメディアの補完的なWebサイト」
に留まっていただけなんだと思います。
そうなってくると、当然のことながら、
サイトに必要な技術は「画面を作ること」「実装すること」がメインではなくなってきます。
これまで、他媒体の制作会社さんが行っていたような、
業界の研究やコンテンツ作成といった工程を、がっつりやることが必要になります。
もともとやってなかったわけではないけども、ここの専門性をきちんと理解する必要が出てきたんですよね。
だけど、このあたりの工程って、徐々に増えていったものだから、最初は、
画面を作っていたデザイナーか、
もしくは工程管理やクライアントさんとのやりとりをしていたディレクターが、
それがないと進まないからなんとなくやるみたいな感じだったと思います。
そして最初はそれでも大丈夫だった・・・けどだんだんと、
その役割の価値が大きくなってきたという感じなのかな。
実は研究が必要な領域にも関わらず、最初の入りがそんな感じだから、
いまもそのまま混沌としているところもある・・・と。
おそらくこういった感じの流れで、
「Webデザイナーの領域はどこだ」の定義にばらつきがでてきたんじゃなかろうか?
そして同じことは、「Webディレクターの領域はどこだ」にも言える感じ。
おかれた環境によって、同じ職種でもできることできないことはあるにせよ、
こと「Webデザイナー」においては、人によって認識がすごい異なるのってなんで?っていうのは、
Webのこういった歴史によるものなんじゃないか・・・?
と、きょんまるは密かに考えるわけです。
この領域問題、だからどうするのよ?
そう、そうなんですよ。
そういったことを踏まえた上で、じゃぁどうするのか、
どう考えるのかって話なんですが、
個人的には
「領域越えて行こうぜ」
って思っています。
ちょっとこの「領域越えて行こうぜ」は次回のテーマにしたいので置いておいて、
先に、「チームと組織」で考えてみます。
そもそもこの領域問題はチームとか組織で動くときに問題になりやすいことだと思うんですよね。
「デザイナーはここまでできると思ってたのにできない」とか、
「これはデザイナーの仕事じゃない」とか、
自分が思う領域と、他者が思う領域が異なることによって生じる問題だと思うんです。
ここをなんとかするためには、まず、
「じゃぁ自分たちのチームは、領域をどう捉えるか」
をきちんと考えて、共通認識を持たないといけないなと感じています。
・・・というか、役員メンバーからの質問を聞いたときに、
すごくそう感じました。
ここをちゃんと共通認識作らないと、
うちのチームの強みや、逆に補強しないといけないロールなんかも、
正しく理解されないんじゃなかろうか?
そんなふうに思ってから、きょんまるは密かに、
この件に関して、どういう領域分担していくかを考えているのでした。
まだ答えはでていません。
でも近いうちに、「うちのチームのデザイナー領域とは」と明言できるようにしたいなって思っています。
待て!次号!
というわけで
今回は、「Webデザイナーの領域について考える」話をしてみました。
きょんまるの所属する、
株式会社アンテク は、「安定 プラス クリエイティブ」を合言葉に、
ITを通して、クライアントさんのやりたいことに寄り添って、その実現をお手伝いするお仕事をしています。
企画をしたり、Webサイトを作ったり、システムを構築したり・・・が得意です。
気になるな〜、一緒にお仕事したいなって思ってくださった方は、ぜひご連絡くださいね。
では、また^^