5F(ファイブフォース)分析 ~フォースと共にあらんことを~
夢をしらふで語るにはきついお年頃になってきました、純平です。
誰がどう見てももはや立派なおっさんでございますので夢などとは軽々しく発言してはなりますまい。いや、何歳であろうと夢は持ってて欲しいなとも思うのですがそこは言い方ひとつでもあると思います。ここは大人として「将来のビジョン」なんて言い方をするのはいかがでしょうか。純平の夢はですね、あ、いや、将来のビジョンですが、壮大なお話にはなってしまうのですが、おじいちゃんになったらおばあちゃんになった妻と、「日々これ好日」と言いながら縁側でお茶をすすりながら平凡な生活を送る事です。そんなつまらないことかという方もいるかもしれませんが実はこれなかなかすごいことでお金の心配もなく、身体も健康で、家族や友達関係も良好で、社会が平和でないといかんのですよね。そんな平穏な日常が送れるように今は一生懸命働かなくてはいけんのでしょうね。毎度、前置きが意味不明でなんのこっちゃと思われてる読者の方もいると思いますがそこらへんはお気になさらず。なんなら自分もこの前置きに関してはわけわかってないので。ただこう書くことでウォーミングアップにもなるしこのブログに関しての期待値の調整なんかもできるのやめられないのです。
はい!というわけで今日の本題は「5F分析」の紹介になります。
アメリカの経営学者マイケル・ポーターが提唱している分析手法のフレームワークになります。このマイケル・ポーターさんはハーバード大学で教授をされている経済学博士で「3つの基本戦略」であったり「バリュー・チェーン」なんかも有名です。「5F分析」はファイブフォース分析を略した記述でその名の通り5つの要因を分析することで市場における自社の立ち位置であったり自社製品の価値を把握しようというものですね。実際にはこれを知らなくても息をするようにやっちゃってる営業さんがほとんだと思いますがきちんと「こういうものだ!」と示すことで迷走した時なんかにロジカルに解決の糸口を見出すことができると思うのでそう考えるとさすが博士だぜって思います。
で、ファイブフォースって具体的になんなん?っていうと……日本語にするとちょっと表現が違うものもあるので、調べる文献やサイト・記事によってちょっとブレもあるのですがどれも言わんとしていることは同じだと思います。ちょっと整列させてみると……
・既存競争者同士の敵対関係
・新規参入の脅威
・代替品の脅威
・売り手の交渉力
・買い手の交渉力
どうでしょう、イメージわきますか?今回はこの5つについてもう少し具体例なんかも用いて紹介しようと思います。
かしこまった文章で書くことも考えたけど、ん、そういう記事って自分には求められてないだろうなって思うので、自分らしい言葉を選んで自分らしい具体例で紹介しようと思います。缶コーヒーが好きなので缶コーヒーにしよ。純平ボトラーズで缶コーヒーを売ってるとします。「既存競争者同士の敵対関係」を見てみましょう。缶コーヒーと言われてみんなはどんな缶コーヒーを思い浮かべますか?業界動向サーチさんで調べたところ飲料業界の売上は下記グラフのようになっているようです。サントリーさんは「ボス」シリーズですね、自分も一番よく飲んでいます。コカ・コーラボトラーズジャパンさんは「ジョージア」が有名。伊藤園さんは緑茶のイメージが強いですが「タリーズコーヒー」シリーズが実は伊藤園さんだったりします。ヤクルトさんは「珈琲たいむ」ですが自分はなかなかお目にかかる機会が少ないですね。アサヒは「ワンダ」シリーズで缶コーヒー単体でいうと売上ナンバーワンの「モーニングショット」を持っています。キリンの「ファイア」やUCCやダイドー、JTの「ルーツ」なんかもわりと有名なんじゃないでしょうか。なかなか競争の激しい市場だと言えますね。全体的に広告にお金を使っているメーカーさんが強いイメージはありますね。自販機の数も関連はしてそうですがそこらへんの調査は割愛します!
くんずほぐれつ(組んず解れつ)といったコーヒーマーケットですが、「新規参入の脅威」なんてあるんでしょうか。どの飲料メーカーさんも新商品開発の力を抜いてはくれそうもありません。自販機を含め販売ルートの数も大手にはなかなか太刀打ちできそうもないですよね。ネームが小さい飲料メーカーの商品だと大手に買収されたりもしそうだしどうかなぁ。でも割と新しいものでいうと花王の「ヘルシアコーヒー」は商品別売上で堂々の11位というデータもあります。自販機ではほとんど見かけませんよね。コンビニやスーパーとかの小売りでこれはすごい。スタバやドトールなんかが本気で缶コーヒー市場に切り込んできたらワンチャンあるのかも。まぁ、既存のメーカーが満足して現状に胡坐をかくことがないような状況ではあるから簡単に新規参入できる市場ともけして言えないってのが個人的な所感ですが。
根本的な話をすると「缶コーヒーでなくて良くない?」って意見もあると思います。「代替品の脅威」について考えてみましょう。自分はちゃんとドリップするコーヒーも好きなのでそこの区別はしてるのだけれどペットボトルや紙パックのコーヒー、最近ではコンビニやファーストフードのお店で100円でおいしいコーヒーが買えちゃう時代です。実はここ数年で飲料メーカーの売上は下がっていてコロナで外出が減少しただけでなく気軽に安くおいしいコーヒーがコンビニとかで買えるようになったのもその要因の一つだと言っても過言ではなさそうです。代替品の脅威という意味ではコーヒーだけでなく紅茶なんかもショート缶でおいしいのがあってですね……「キリン 午後の紅茶 エスプレッソティー微糖」という紺色の商品がめちゃくちゃおいしいんです。午後の紅茶の35周年記念で発売されたものなのですがしっかりとした紅茶の味とミルクのコクとちょうどいい185gというバランス。これはもしかすると缶コーヒー買ってる場合じゃなくなるかもというくらいの衝撃でした。自分と同じ感覚のヒトが多いのだとしたら他社もそっちに力を入れてもおかしくはないのかもしれません。
はい、時間がないのでサクサクいきましょう!次は「売り手の交渉力」かな?これはどういうことかというと原料とかの仕入れ先の交渉力のことを指します。容器となる缶も含めても良いでしょう。製造する上で必要な材料を仕入れる際に仕入れ先が「やべ、今年はコーヒー豆が不作で100g当たりの単価が2倍になっちゃうなり~」とか「他社さんがおたくより高く買うって言うから他社に売るずら~」とかも含めて価格交渉してくるリスクなんかを調べとこうぜ!ってことなんですね。まぁきちんとした経営ができてる企業ならそうならんように長期的に契約とかしてるはずです。仕入れ先とのパワーバランスのようなものを全く考えていない会社なら淘汰されていく様は誰でも想像できますよね。仕入れとの交渉カードとしては「いざというときは他のルートでも仕入れできる」とか「うちに売ることで御社の格もあがりまっせ!」とかも用意しておけるとよいでしょう。売り手も当然のごとく利益を守らないとやっていけないので妥当な価格でのビジネスができるよう心がけましょう。共存共栄できれば最高、そう思いませんか?はい、みなさんご一緒に「共存共栄!」自分さえよければ良い、なんて考えだと大きな仕事は回せませんよ~。
太客持ってますかー!買い手とのパワーバランスもとても重要ですよね。なんでも言いなりで価格を決めていたら当然経営は成り立ちません。買い手は安く買いたいし売り手は高く売りたい。そのお互いのバランスで市場の単価感というものは成り立っていたりするものです。買い手というのはお金を払ってくれる人のことで、アンテクでいうとリソースを買ってくれるお客さんやサイト制作を依頼してくれる企業さんになります。「買い手の交渉力」とはお客さんの交渉力で、缶コーヒーを「130円で買うぜ!」とか「100円じゃないと買わんぜ」とか、あるいは価格ではなく「毎朝9時に持ってきてくれるなら買うぜ」とかも含まれます。こちらが売りたい条件で買ってくれるにこしたことはないのですが決定権は買い手にも当然あるのでそこの分析は重要ですね。メーカーとしては材料費や人件費から利益が出るように計算して出した価格設定だったりするのですが、当然買い手は「1円でも安いにこしたことない」って人もいます。「定期的に買ってあげるから安くしてよ」とか「A社さんはこんな安いんだけど御社も同じにしてくれんかね」とか色々な理由で交渉してくるものです。交渉にも色々な手段があるので一見交渉とは思えない手段で値下げせざるを得ない状況を作られることもあります。そこを見極めることは営業としてはわりと重要で根拠のない値下げ交渉や不当な値下げ交渉には理論的に抵抗しなくてはいけません。ただ売れば良いのではなくてちゃんと利益を確保するのが営業の大切な仕事でもあるのです。
くだらない記事を最後まで読んでくれた読者には感謝と共に「このブログ読む時間あったらもっと有意義な時間をすごしてくれ」って想いも抱いてしまいます。クリスマスまであと僅かです。クリスマスケーキやチキンの準備は大丈夫ですか?子供たちへのプレゼントの準備は大丈夫ですか?彼氏彼女のいない諸君はぼっちで聖夜を乗り越える覚悟はできてますか?最後になりますが、もしおひとり様でクリスマスを迎える心構えのできていない独身の方がいらっしゃいましたらフォースのちからで恋人を作り出すことをご提案させていただければと思います。「さぁ行こう!虚無の向こう側へ!」